ソフトウェアで発生するさまざまな問題の解決 (手順)
この章では、ときどき発生するが比較的修正しやすい、さまざまなソフトウェアの問題について説明します。特定のソフトウェアアプリケーションや内容に関連しない問題 (リブートの失敗やファイルシステムがフルになるなど) の解決方法も含みます。これらの問題の解決方法は、この後の節で説明します。
この章で説明する情報は次のとおりです。
リブートが失敗した場合の対処
システムがリブートに失敗した場合またはリブートしたがクラッシュした場合は、システムのブートを妨害しているソフトウェアまたはハードウェアの障害があると考えられます。
システムがブートしない原因 | 問題の解決方法 |
---|---|
システムが /platform/`uname -m`/kernel/unix を見つけられない | SPARC システムの PROM 内の boot-device 設定を変更しなければならない。デフォルトのブートシステムの変更については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「SPARC: システムのブート (手順)」を参照してください。 |
IA システムで、デフォルトのブートデバイスが存在しない。「Not a UFS filesystem.」というメッセージが表示される | Configuration Assistant/Boot (構成用補助) フロッピーディスクを使用してシステムをブートし、ブートするディスクを選択する |
/etc/passwd ファイル内に無効なエントリが存在する | 無効な passwd ファイルから復元する方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「SPARC: システムのブート (手順)」または『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「IA: システムのブート (手順)」を参照してください。 |
ディスクなどのデバイスに、ハードウェアの問題がある | ハードウェアの接続を確認する
|
上記のリストで問題が解決できない場合は、ご購入先にお問い合わせください。
SPARC: 64 ビット Solaris のブートで発生する問題の解決
64 ビット Solaris リリースを UltraSPARC システムにインストールすると、次のどの条件も該当しない場合は、64 ビットカーネルが自動的にブートされます。
64 ビットカーネルをブートするのに、UltraSPARC システムに FLASH PROM アップグレードが必要な場合があります。UltraSPARC システムにファームウェアのアップグレードが必要かどうかを知るには、ハードウェアメーカーの資料を参照してください。
Open Boot PROM の boot-file パラメータに kernel/unix が設定されています。64 ビットカーネルのブートができない場合に、このパラメータがそのように設定されているなら設定を解除してシステムをリブートします。
64 ビット Solaris のすべての構成要素がシステムに完全にインストールされ、正しいファームウェアがインストールされていても、UltraSPARC システムによっては、デフォルトで 64 ビット Solaris カーネルがブートされない場合があります。64 ビット Solaris カーネルがブートされなければ、64 ビットアプリケーションを実行することはできません。
この問題の詳細や 64 ビット Solaris カーネルのブートをデフォルトで有効にする方法については、boot(1M) のマニュアルページを参照してください。
システムがどの Solaris カーネルを実行しているかを知るには、isainfo -kv コマンドが常に使用できます。
$ isainfo -kv 64-bit sparcv9 kernel modules
この例では、64 ビット Solaris カーネルが実行されています。
32 ビット Solaris システムで 64 ビット Solaris オペレーティング環境をブートすることはできません。
ルートパスワードを忘れた場合の対処
ルートパスワードを忘れると、システムにログインできなくなります。その場合、次の手順を実行する必要があります。
キーボードの停止シーケンスを使用して、システムを停止する。
ブートサーバー、インストールサーバー、またはローカル CD-ROM からブートする。
ルート (/) ファイルシステムをマウントする。
/etc/shadow ファイルからルートパスワードを削除する。
システムをリブートする。
ログインして、ルートのパスワードを設定する。
この手順の詳細については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「SPARC: システムのブート」および『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「IA: システムのブート」を参照してください。
次の例では、SPARC システムおよび IA システムでルートパスワードを忘れた場合の対処方法について説明します。
SPARC: 例 -- ルートパスワードを忘れた場合の対処方法
次の例では、ルートパスワードを忘れた場合にネットワークからブートして回復する方法について説明します。この例では、ブートサーバーがすでに有効になっているものとします。システムのリブート後に、必ず新しいルートパスワードを適用してください。
(キーボードのシステム停止シーケンスを使用します -- Stop-A キーを押してシステムを停止します。) ok boot net -s # mount /dev/dsk/c0t3d0s0 /a # cd /a/etc # TERM=vt100 # export TERM # vi shadow (Remove root's encrypted password string) # cd / # umount /a # init 6 |
IA: 例 -- ルートパスワードを忘れた場合の対処方法
次の例では、ルートパスワードを忘れた場合に、ネットワークからブートして回復する方法について説明します。この例では、ブートサーバーがすでに有効になっているものとします。システムのリブート後に、必ず新しいルートパスワードを適用してください。
(キーボードのシステム停止シーケンスを使用して、システムを停止します。) Type any key to continue SunOS Secondary Boot version 3.00 Solaris Intel Platform Edition Booting System Running Configuration Assistant... Autobooting from Boot path: /pci@0,0/pci-ide@7,1/ide@0/cmdk@0,0:a If the system hardware has changed, or to boot from a different device, interrupt the autoboot process by pressing ESC. Press ESCape to interrupt autoboot in 5 seconds. . . . Boot Solaris Select one of the identified devices to boot the Solaris kernel and choose Continue. To perform optional features, such as modifying the autoboot and property settings, choose Boot Tasks. An asterisk (*) indicates the current default boot device. > To make a selection use the arrow keys, and press Enter to mark it [X]. [X] NET : DEC 21142/21143 Fast Ethernet on Board PCI at Dev 3 [ ] DISK: (*) Target 0, QUANTUM FIREBALL1280A on Bus Mastering IDE controller on Board PCI at Dev 7, Func 1 [ ] DISK: Target 1:ST5660A on Bus Mastering IDE controller on Board PCI at Dev 7, Func 1 [ ] DISK: Target 0:Maxtor 9 0680D4 on Bus Mastering IDE controller on Board PCI at Dev 7, Func 1 [ ] CD : Target 1:TOSHIBA CD-ROM XM-5602B 1546 on Bus Mastering IDE controller on Board PCI at Dev 7, Func 1 F2_Continue F3_Back F4_Boot Tasks F6_Help . . . <<< Current Boot Parameters>>> Boot path: /pci@0,0/pci-ide@7,1/ide@0/cmdk@0,0:a Boot args: kernel/unix -r Select the type of installation you want to perform: 1 Solaris Interactive 2 Custom JumpStart 3 Solaris Web Start Enter the number of your choice followed by <ENTER> the key. If you enter anything else, or if you wait for 30 seconds, an interactive installation will be started. Select type of installation: b -s . . . # mount /dev/dsk/c0t0d0s0 /a . . . # cd /a/etc # vi shadow (Remove root's encrypted password string) # cd / # umount /a # init 6 |