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Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q1 

クイックスタートガイド

『Sun JavaTM System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q1 クイックスタートガイド』へようこそ。このマニュアルは、Sun JavaTM System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q1 ソフトウェアの機能の学習を目的とする開発者、システム管理者、および Application Server 管理者を対象としています。

このマニュアルの最新版については、次の場所にある docs.sun.com のオンライン版を参照してください。

http://docs.sun.com/app/docs/prod/sjs.asse

このマニュアルでは、Application Server を使用する場合の基本的な手順と高度な手順について説明します。手順は、それらを完了させるために必要な順序で示されます。次の項で説明する基本手順は、通常 45 分未満で完了します。

次の項で説明する高度な手順は、通常およそ 45 分で完了します。

このマニュアルの最後の項では、クリーンアップの手順を説明し、次のステップの説明を行います。

次の表に、このマニュアルで使用するディレクトリの変数名とデフォルトパスをまとめてあります。最初の列は変数名、2 番目の列はデフォルトのパスです。

変数名

説明とパス

install_dir

デフォルトでは、Application Server は次のディレクトリにインストールされます。

  • Solaris Sun JavaTM Enterprise System インストールの場合
    /opt/SUNWappserver/appserver
  • Linux Java Enterprise System インストールの場合
    /opt/sun/appserver/
  • スタンドアロンの Solaris および Linux Application Server インストールの場合 (非 root ユーザー)
    user_home_directory/SUNWappserver
  • スタンドアロンの Solaris および Linux Application Server インストールの場合 (root ユーザー)
    /opt/SUNWappserver

domain_root_dir

デフォルトでは、すべてのドメインは次のディレクトリに配置されます。

  • Solaris Java Enterprise System インストールの場合
    /var/opt/SUNWappserver/domains/
  • Linux Java Enterprise System インストールの場合
    /var/opt/sun/appserver/domains/
  • その他のすべてのインストールの場合
    install_dir/domains/

domain_dir

デフォルトでは、ドメインディレクトリは次の場所に配置されます。
domain_root_dir/domain_dir


Application Server の管理について

管理者が複数のホスト上で実行されるサーバーインスタンスとクラスタを管理できるようにするために、Application Server は次のツールを提供します。

これらのツールは、すべての管理タスク内で仲介機能を果たす特別に指定された Application Server インスタンスである「ドメイン管理サーバー」と呼ばれるサーバーに接続します。ドメイン管理サーバーは、使用するインタフェースに関係なく、管理コマンドを検証し、実行するためのセキュリティで保護された単一のインタフェースを提供します。

「ドメイン」は、設定データ、配備されたアプリケーション、および管理者が指定されたマシンなどの集合です。ドメイン定義は、複数のアプリケーション、スタンドアロンのアプリケーションサーバーインスタンス、およびクラスタの動作を記述し、その制御を可能にし、複数のマシンに配布することができます。ドメイン管理サーバーをインストールすると、常に domain1 と呼ばれるデフォルトドメインがインストールされます。このマニュアルでは、デフォルトドメインを使用します。

このマニュアルで説明する大部分の手順を完了するには、管理コンソールを使用します。


ドメイン管理サーバーの起動

このトピックでは、3 つの基本的なトピックの最初として、次の手順について説明します。

管理サーバーの起動

管理サーバーを起動するには、次の手順に従います。

  1. PATH 環境変数に、install_dir/bin/ ディレクトリを追加します。

         C シェル:
           setenv PATH install_dir/bin:$PATH

        
     Bourne シェル:
           PATH=install_dir/bin:$PATH
           export PATH
  2. コマンドを実行するたびに入力しなくても済むように、管理ユーザーの環境変数を設定します。

         C シェル:
           setenv AS_ADMIN_USER admin_user

        
     Bourne シェル:
           AS_ADMIN_USER=admin_user
           export AS_ADMIN_USER
  3. install_dir から次のコマンドを入力して、サーバーを起動します。
  4. asadmin start-domain domain1

    管理パスワードおよびマスターパスワードの入力を求められた場合は、インストール時に使用したパスワードを入力します。

  5. ドメイン管理サーバーが起動中であることを知らせるメッセージが表示されます。
    domain1 ドメインを起動しています。お待ちください。ログが domain_dir/domain1/logs/server.log にリダイレクトされます...
  6. 起動プロセスが完了すると、次のメッセージが表示されます。
    ドメイン domain1 が起動しました。

  7. このマニュアルでは、管理ユーザー名のために環境変数 AS_ADMIN_USER を設定する方法について説明しています。このため、asadmin コマンドを使用するときに、ユーザー名引数は指定しません。このコマンドを入力するときに、ユーザー名引数を指定することができます。たとえば、次のように表示されます。

    asadmin command_verb --user username command_arguments


管理コンソールへのログイン

管理コンソールは、さまざまな管理作業および設定作業を単純化するブラウザインタフェースです。通常、管理コンソールは次の作業に使用されます。

管理コンソールの使用に関する詳細は、オンラインヘルプまたは『Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q1 管理ガイド』を参照してください。

管理コンソールにログインするには、次の手順に従います。

  1. ブラウザで、次の URL を入力します。
  2. https://localhost:4849/asadmin

    管理コンソールはセキュリティで保護された Web アプリケーションであるため、http ではなく https を使用する必要があります。

    localhost 変数を、ドメイン管理サーバーを実行するシステム名に置き換えます。

    4849 は管理コンソールのデフォルトのポート番号です。インストール時にポート番号を変更した場合は、その番号を使用してください。


    ポップアップウィンドウに、「Web サイトは不明の認証局により認証されました」のようなメッセージが表示された場合は、「了解」をクリックしてください。

    このメッセージが表示されるのは、セキュア伝送プロトコルで、管理コンソールのサービスを提供するために使用するドメイン管理サーバーが使用する自己署名の証明書をユーザーのブラウザが認識しないためです。


  3. ログインウィンドウが表示されたら、管理ユーザー名とパスワードを入力します。
  4. 「ログイン」をクリックします。
  5. 管理コンソールが次のように表示されます。


    管理コンソールは、ページ全体に表示されるバナー区画、共通操作のツリーのある左側の区画、開始画面と共通操作およびドキュメントへのリンクのある右側の区画で構成されています。

左側の区画では、用意されたツリーを使用して、管理する項目を選択できます。右側の区画では、「共通操作」見出しの下に、さまざまな管理タスクが表示されています。


ヒント

まだ登録が済んでいない場合は、「登録」タブをクリックして、使用するソフトウェアを登録してください。


ログファイルの調査

Application Server インスタンスとドメイン管理サーバーは、ファイルシステム上で注釈つきのログを生成します。デフォルトでは、すべてのエラー、警告、また有用な通知メッセージがログとして記録されます。管理サーバーのログファイルを確認するには、次の手順に従います。

  1. 右側の区画の「共通操作」から、「ログファイルを検索します」をクリックして、ログビューア用の新しいブラウザウィンドウを起動します。

  2. ログビューアには、表示、検索、およびフィルタオプションがあります。

  3. ログビューアウィンドウで、「インスタンス名」ドロップダウンリストからサーバーを選択し、「検索」をクリックします。ドメイン管理サーバーの最近のログファイルエントリが表示されます。
  4. メッセージをスキャンして、サーバーの起動時に問題が検出されたことを示す「WARNING」メッセージ、または「SEVERE」メッセージを調べます。
  5. ログビューアは、いつでも閉じることができます。クラスタを作成し、アプリケーションを配備した後で、操作の失敗がないかどうかを確認するために、ログファイルを調べることをお勧めします。ログビューアは、ドメイン内で実行している Application Server インスタンスのログファイルを表示するために使用できます。

ログファイルに関する詳細は、『Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q1 管理ガイド』を参照してください。

ここでは、ドメイン管理サーバーを起動し、サーバーが正常に実行されていることを確認しました。また、管理コンソールにログインし、ログビューアを使用しました。続行しない場合は、ここでクイックスタート手順の実習を中止することができます。


クラスタの作成

ここでは、3 つの基本トピックの 2 番目として、2 つの Application Server インスタンスを含むクラスタの作成方法について説明します。説明を簡単にするために、クラスタは完全に 1 つのマシン内で実行されているものとします。このトピックでは、次の手順について説明します。

ノードエージェントの起動

「ノードエージェント」は、Application Server の管理ドメインに参加する各マシンで実行される軽量プロセスです。ノードエージェントは、ホスト上のサーバーインスタンスの起動および停止を管理します。また、ドメイン管理サーバーと共同して、新しい Application Server インスタンスを作成します。

マシンが属する各 Application Server の管理ドメイン用として、1 台のマシンに 1 つのノードエージェントが必要です。インストール時に「ノードエージェントコンポーネント」を選択した場合は、hostname と呼ばれるデフォルトのノードエージェントが作成されます。

デフォルトノードエージェントを起動するには、次の手順に従います。

  1. 端末ウィンドウで、次のコマンドを入力します。
  2. asadmin start-node-agent hostname

    hostname 変数を、Application Server を実行するホスト名に置き換えます。

  3. パスワードの入力を求められた場合は、マスターパスワードを入力します。
  4. ノードエージェントが起動し、ドメイン管理サーバーに接続します。ドメイン管理サーバーが実行されていない場合、ノードエージェントは起動できません。

クラスタの定義

「クラスタ」とは、同一の設定、リソース、アプリケーションを共有する、サーバーインスタンスのグループで、通常、複数のホスト上に構成されます。クラスタにより、サーバーインスタンス間のロードバランスが保たれ、フェイルオーバーを通じて処理が継続されることで、高可用性を実現します。複数のマシンにまたがるクラスタを作成し、各マシン上で、ノードエージェントを用いてこれらのクラスタを管理することができます。このマニュアルでは、説明を簡単にするために、サンプルとして使用するクラスタは、ドメイン管理サーバーを実行するマシンと同じホスト上にあるものとします。

前述の項で説明したとおり、各マシンでノードエージェントプロセスをあらかじめ実行している必要があります。クラスタの作成時にインスタンスを指定する場合は、インスタンスを実行するマシンで実行しているノードエージェントと指定するインスタンスとを関連付ける必要があります。ノードエージェントとインスタンスの名前は、1 つのドメインで作成されるクラスタ間で一意のものとする必要があります。

クラスタを作成するには、次の手順に従います。

  1. まだログインしていない場合は、管理コンソール (https://localhost:4849) にログインします。
  2. localhost 変数を、ドメイン管理サーバーを実行するシステム名に置き換えます。

    4849 は管理コンソールのデフォルトのポート番号です。インストール時にポート番号を変更した場合は、その番号を使用してください。

  3. 右側の区画の「共通操作」で、「新しいクラスタを作成します」をクリックし、「クラスタの作成」入力ページを表示します。
  4. 新しいクラスタの名前として、FirstCluster と入力します。
  5. 利用可能な設定テンプレートのドロップダウンリストから、default-config 設定を選択し、「選択している設定のコピーを作成します」を選択します。
  6. 「追加」ボタンを 2 回クリックして、クラスタ用の 2 つのインスタンスを指定する 2 つのエントリを作成します。
  7. インスタンス名として、i1i2を入力します。ノードエージェント名には、ローカルマシンの名前が自動的に割り当てられます。
  8. 次のような画面が表示されます。


    作成するクラスタ名、設定、およびサーバーインスタンスを表示する「クラスタの作成」ページ

  9. 「了解」をクリックします。この作成プロセスには数分かかります。

  10. この実習では、自動的に割り当てられた HTTP、HTTPS、IIOP、および IIOPS 用のポート番号が必要です。これらのポート番号は、必要に応じて、後で変更できます。


    作成プロセスが完了すると、「クラスタは正しく作成されました」ページが表示され、FirstCluster が左側の区画のツリーに表示されます。このクラスタ用に、設定テンプレート default-config のコピーが作成され、FirstCluster-config という名前が割り当てられています。

  11. 左側の区画でクラスタを展開し、「FirstCluster」をクリックして、クラスタの「一般情報」ページを表示します。
  12. 「インスタンス」タブをクリックして、作成したインスタンス i1 と i2 を表示します。
    1. i1 をクリックして、このインスタンスを調べます。
    2. 右側の区画の「一般情報」見出しの上にあるタブの中から、「プロパティ」タブをクリックして、HTTP_LISTENER_PORT の値を確認します。
    3. i2 について、前述の手順を繰り返します。

    4. デフォルトでは、i1 のHTTP ポートは 38081、i2 の HTTP ポートは 38080 です。クラスタの作成時に、これらのポートがビジー状態の場合、あるいはこれらのポートが他のインスタンスまたはクラスタに割り当てられている場合は、異なるポート番号が割り当てられます。


ここでは、1 つのマシンで、1 つのクラスタを作成しました。各マシンにソフトウェアをインストールし、ノードエージェントを実行している限り、同じ基本手順を使用して、複数のマシンにまたがるクラスタを作成することもできます。

続行しない場合は、ここでクイックスタート手順の実習を中止することができます。


アプリケーションの配備

ここでは、3 つの基本トピックの最後として、次の手順について説明します。

サンプルアプリケーションの配備

このマニュアルでは、clusterjsp というサンプルアプリケーションを使用して Web パスのロードバランス機能を説明します。

  1. まだ移動していない場合は、「ホーム」ボタンをクリックして「共通操作」ページに移動します。
  2. 右側の区画の「共通操作」の下で、「Enterprise アプリケーションを配備」をクリックします。
  3. 「アップロードするファイル」テキストボックスで、「ブラウズ」ボタンをクリックして、install_dir/samples/ee-samples/highavailability/apps/clusterjsp/clusterjsp.ear に移動します。
  4. 「次へ」をクリックして、「Enterprise アプリケーションを配備」ページを表示します。
  5. スクロールダウンして、ページの「ターゲット」セクションに移動します。
  6. 利用可能なリストから FirstCluster を選択し、「追加」をクリックして、選択されたリストに FirstCluster を移動します。
  7. 「了解」をクリックします。
  8. これで、clusterjsp アプリケーションが FirstCluster に配備されました。

    次の画面で、clusterjsp アプリケーションが FirstCluster に配備されていることを確認します。


    clusterjsp を含む、配備されたエンタープライズアプリケーションのリスト

クラスタ化されたアプリケーションの動作確認

この手順では、クラスタを起動し、アプリケーションが両方のインスタンスでアクセス可能かどうかを確認します。

クラスタを起動するには、次の手順に従います。

  1. 左側の区画のツリーで、「クラスタ」の下にある「FirstCluster」ノードをクリックします。
  2. 右側の区画で、「一般」タブがアクティブになっていない場合は、このタブをクリックします。
  3. 「インスタンスを起動」ボタンをクリックして、クラスタを起動します。
  4. クラスタが起動するときに、「状態」フィールドで、どのインスタンスが実行されているかを表示するように変更されているかどうかのチェックが行われていることを確認します。

各インスタンスでアプリケーションにアクセスするには、次の手順に従います。

  1. ブラウザで、次の URL を入力します。
  2. http://localhost:port/clusterjsp

    localhost 変数を、ドメイン管理サーバーを実行するシステム名に置き換えます。

    port 変数を、i1 の HTTP-LISTENER-PORT の値に置き換えます。この例では、http://localhost:38081/clusterjsp を使用します。

  3. セッションの属性データのいくつかを追加します。
  4. セッションおよびホスト情報が次のとおり表示されるかどうかを確認します。たとえば、次のように表示されます。
    • Executed From Server: localhost
    • Server Port Number: 38081
    • Executed Server IP Address: 192.18.145.133
    • Session Created: Day Mon 05 14:55:34 PDT 2005
  5. セッションデータのいくつかを追加して、「セッションに追加」ボタンをクリックします。
  6. ブラウザで、次の URL を入力し、インスタンス i2 に対してこの手順を繰り返します。
  7. http://localhost:38080/clusterjsp

ここでは、クラスタにアプリケーションを配備して、クラスタのすべてのインスタンスでアプリケーションが利用可能かどうかをテストしました。

おめでとうございます。これで、この『クイックスタートガイド』の基本手順が修了しました。高度な手順に進まない場合は、ここでクイックスタート手順の実習を中止することができます。


ロードバランスの設定

通常、ロードバランサはクラスタの前面に配備されます。これにより、次を実行することができます。

Application Server には、Apache、Sun JavaTM System Web Server などの一般的な Web サーバー用のロードバランスプラグインが用意されています。

ここでは、Sun Java System Web Server ソフトウェアをダウンロードし、Application Server のクラスタに対するロードバランサとして機能するように設定する方法の手順について説明します。この項を完了するには、このマニュアルの手順に従って今までに作成したドメイン管理サーバーと 2 つの Application Server のインスタンスに加え、Web Server を実行するための十分なメモリーがシステムに必要です。このため、512 〜 1024M バイトのメモリーを持つシステムをお勧めします。

このトピックでは、次の手順について説明します。

Web Server ソフトウェアのインストール

すでに Web Server ソフトウェアがインストールされていて、Web Server インスタンスがロードバランサとして機能することが確認できる場合は、このインスタンスのファイルシステム内の場所をメモして、「ロードバランサプラグインのインストール」に進んでください。

Sun Java Enterprise System ソフトウェアを使用する場合は、ロードバランサプラグインのインストールを選択すると、Web Server が自動的にインストール用に選択されます。ただし、次の手順を使用して Web Server ソフトウェアをインストールすることもできます。

  1. Java Enterprise System インストーラを起動します。
  2. 「コンポーネントの選択」ページで Sun Java System Web Server コンポーネントを選択します。
  3. 「今すぐ設定」を選択して、インストール中に Web Server を設定するためのプロンプトが表示されるのを待ちます。
  4. プロンプトが表示されたら、デフォルトの Web Server インスタンスを定義します。

  5. ヒント

    このデフォルトの Web サーバーインスタンスに選択するポート番号を覚えておいてください。このマニュアルでは、デフォルトインスタンスの HTTP ポートとして、ポート 38000 が選択されることを想定しています。


スタンドアロンの Sun Java System Application Server を使用する場合、または Sun Java Enterprise System インストーラへのアクセス権がない場合は、次の手順を使用して Web Server ソフトウェアをインストールします。

  1. http://www.sun.com/downloads にアクセスします。スクロールダウンして「Web & Proxy Servers」見出しに移動し、「Web Servers」をクリックします。
  2. 選択したロケールおよびプラットフォームの Web Server 6.1 Service Pack 2 以上をダウンロードします。
  3. ダウンロードするには、MySunSM、Sun StoreSM、SunSolveSM、またはオンラインサポートセンターに登録したユーザー名とパスワードを使用してログインする必要があります。ログインアカウントを持っていない場合は、オンラインで登録することができます。

  4. 手順に従って Web Server ソフトウェアをインストールします。次の操作を実行する必要があります。
    1. 圧縮されたアーカイブからこのソフトウェアを抽出します。
    2. セットアッププログラムを実行します。追加情報が必要な場合は、http://docs.sun.com/doc/819-0131-10 にある Web Server のインストール手順を参照してください。
  5. Web Server のインストールプロセスでは、Web Server 用の管理サーバーが構成され、デフォルトの Web Server インスタンスの定義が要求されます。

  6. ヒント

    このデフォルトの Web サーバーインスタンスに選択するポート番号を覚えておいてください。このマニュアルでは、デフォルトインスタンスの HTTP ポートとして、ポート 38000 が選択されることを想定しています。


ロードバランサプラグインのインストール

ロードバランサプラグインをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 使用するソフトウェアディストリビューション (Sun Java Enterprise System ソフトウェアまたはスタンドアロンの Sun Java System Application Server ソフトウェア) のインストーラを実行します。
  2. インストールするコンポーネントの選択を求められたら、「ロードバランサプラグイン」を選択します。
  3. Sun Java Enterprise System インストーラでは、Application Server 項目を展開してロードバランサプラグインを表示する必要があります。これは、デフォルトではインストール用に選択されていません。

ロードバランサ設定の作成

ここで、Application Server のドメイン管理サーバーの操作に戻ります。ここでは、シェル実行環境が必要になります。

  1. 次のコマンドを実行して、FirstCluster クラスタを対象にした MyLbConfig と呼ばれるロードバランサ設定を作成します。
  2. asadmin create-http-lb-config --target FirstCluster MyLbConfig

  3. FirstCluster およびこのクラスタに配備されている clusterjsp アプリケーションを次のように有効化して、HTTP のロードバランスができるようにします。
  4. asadmin enable-http-lb-server FirstCluster

    asadmin enable-http-lb-application --name clusterjsp FirstCluster

  5. ロードバランサ用の診断プログラムを作成します。このプログラムは、ダウンしているインスタンスが復旧したときにシグナルを送ります。
  6. asadmin create-http-health-checker --interval 10 --config MyLbConfig FirstCluster

    interval は、診断プログラムが健全でないインスタンスのチェック間で待機する秒数です。

  7. この設定をファイル loadbalancer.xml にエクスポートします。
  8. asadmin export-http-lb-config --config MyLbConfig loadbalancer.xml

  9. loadbalancer.xmlweb_server_install_dir/https-hostname/config/loadbalancer.xml にコピーします。

ロードバランサの起動

ロードバランサとして機能する Web Server インスタンスがまだ実行されていない場合は、次のコマンドを使用して Web Server ソフトウェアを起動します。

ロードバランサとして機能する Web Server インスタンスがまだ実行されていない場合は、次のコマンドを使用して Web Server ソフトウェアを再起動します。

ロードバランスの検証

  1. clusterjsp アプリケーションを表示するには、ブラウザで、次の URL を入力します。
  2. http://localhost:web_server_port/clusterjsp

    localhost 変数を、Web Server を実行するシステム名に置き換えます。

    web_server_port 変数を、web_server_install_dir/https-hostname/config/server.xmlLS 要素のポート属性の値に置き換えます。この例では、ポート 38000 を使用しています。

    クラスタ化されたアプリケーションの動作確認」の項で使用したページと類似したページが表示されます。

  3. セッションおよびホスト情報が次のとおり表示されるかどうかを確認します。たとえば、次のように表示されます。
    • Executed From Server: localhost
    • Server Port Number: 38000
    • Executed Server IP Address: 192.18.145.133
    • Session Created: Day Mon 05 14:55:34 PDT 2005
  4. Server Port Number は 38000、つまり Web Server のポートです。ロードバランサは、クラスタの 2 つのインスタンスに要求を転送しました。
  5. 別のブラウザソフトウェア、または別のマシン上のブラウザを使用して、新しいセッションを作成します。同じブラウザからの要求は「スティッキー (sticky)」であるため、同じインスタンスに転送されます。
  6. これらのセッションは、クラスタの 2 つのインスタンスに分散されている必要があります。次の場所にあるサーバーアクセスログファイルを調べれば確認できます。

    • Solaris Java Enterprise System インストールの場合
      /var/opt/SUNWappserver/nodeagents/nodeagent_name/i1/logs/access/server_access_log
      /var/opt/SUNWappserver/nodeagents/nodeagent_name/i2/logs/access/server_access_log
    • Linux Java Enterprise System インストールの場合
      /var/opt/sun/appserver/nodeagents/nodeagent_name/i1/logs/access/server_access_log
      /var/opt/sun/appserver/nodeagents/nodeagent_name/i2/logs/access/server_access_log
    • スタンドアロンの Application Server インストールの場合
      install_dir/nodeagents/nodeagent_name/i1/logs/access/server_access_log
      install_dir/nodeagents/nodeagent_name/i2/logs/access/server_access_log
  7. HttpSession に格納する名前と値のペア (Name=Name Value=Duke) を追加します。
  8. 「セッションデータに追加」ボタンをクリックします。
  9. セッションデータが追加されたかどうかを確認します。

ここでは、ロードバランサとして使用するインスタンスを作成し、ロードバランス設定をセットアップしました。また、ロードバランスの検証も行いました。

HTTP セッションのフェイルオーバーを設定し検証するには、「高可用性フェイルオーバーの設定」に進んでください。


クリーンアップ

クリーンアップを行うには、「オプション 1: インストールした Application Server のアンインスール」で説明する手順を実行して、インストールした Application Server をアンインストールするか、または「オプション 2: サンプルクラスタの削除」で説明する手順を実行して、作成したサンプルクラスタを削除します。


警告

高可用性クラスタと HADB について」の手順に進む場合は、ここではインストールをクリーンアップしないでください。代わりに、「高可用性クラスタと HADB について」の項に進み、それが完了したときに、そこに記載されている手順を使用してクリーンアップしてください。


オプション 1: インストールした Application Server のアンインスール

完全にアンインストールするには、次の手順に従います。

  1. 次のコマンドを使用して、Application Server プロセスを停止します。
  2. asadmin stop-cluster FirstCluster

    asadmin stop-node-agent hostname

    asadmin stop-domain domain1

    この時点で、Application Server に関連するすべてのプロセスが停止します。

  3. Application Server をアンインストールします。
  4. Java Enterprise System インストールでは、 var/sadm/prod/entsys/uninstall を実行して、アンインストールウィザードが示す手順に従います。

    スタンドアロンの Application Server インストールでは、install_dir/uninstall を実行して、アンインストールウィザードが示す手順に従います。

  5. この実習で Web Server をインストールした場合は、ロードバランサとして機能している Web サーバーインスタンスを停止し、Web Server 製品をアンインストールします。インスタンスを停止するには、次のコマンドを実行します。
  6. web_server_install_dir/https-hostname/stop

  7. Web Server 製品をアンインストールする場合は、web_server_install_dir からアンインストールプログラムを実行します。

オプション 2: サンプルクラスタの削除

FirstCluster (サンプル用の高可用性クラスタ) と、この実習中に使用したサンプルアプリケーションだけを削除する場合は、次の手順に従います。

  1. 次のコマンドを使用して、Application Server プロセスを停止し、設定をクリーンアップします。
  2. asadmin stop-cluster FirstCluster

    asadmin disable-http-lb-server FirstCluster

    asadmin delete-http-lb-ref --config MyLbConfig FirstCluster

    asadmin delete-http-lb-config MyLbConfig

    asadmin delete-instance i1

    asadmin delete-instance i2

    asadmin delete-cluster FirstCluster

    asadmin undeploy clusterjsp

  3. 次のコマンドを実行して、ロードバランサとして機能する Web サーバーインスタンスを停止します。
  4. web_server_install_dir/https-hostname/stop

  5. web_server_install_dir/https-hostname/config にある loadbalancer.xml ファイルの名前を loadbalancer.xml.sav に変更します。

おめでとうございます。これで、Application Server のクイックスタートの手順をすべて修了しました。


次のステップ

Application Server ソフトウェアの学習や使用に活用できるリソースとして、さらに次のものがあります。



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