RAID 0 (連結) を選択して既存のデータセット (ファイルシステムなど) の容量を拡大します。連結は小規模のランダム I/O や不均等な I/O 分散に適しており、1T バイトまでの全ファイルシステムに適しています。これらのファイルシステムをミラー化するには、連結を使って root(/)、swap、/usr、/opt、/var をカプセル化する必要があります。
ストライプを選択すると、並列でデータにアクセスするのでパフォーマンスが向上します。 また容量も増大します。新しいファイルシステムやデータセットには必ずストライプ化ボリュームを使用してください。
ストライプの作成により、複数のコントローラでデータに同時にアクセスできます (並列アクセス)。並行アクセスでは、ボリュームの全ディスクは I/O 要求へのサービスでほとんどビジー状態になるので I/O スループットが向上します。 ストライプの作成は、大規模な逐次 I/O や 不均等に分散している I/O で効果を発揮します。
既存のファイルシステムを直接 RAID 0 ボリュームに変換することはできません。 ファイルシステムを RAID 0 ボリュームに配置する必要がある場合は、ファイルシステムのバックアップを取り、RAID 0 ボリュームを作成してから、ファイルシステムをストライプ化ボリュームに戻します。
ストライプ作成時には、異なるサイズのスライスを使用しないでください。 未使用のディスクスペースが作成されてしまいます。
インタレース値の指定
インタレース値で、RAID 0 ボリュームの論理データ領域サイズを指定します。理論上は、異なるインタレース値を使うと設定のパフォーマンスが向上します。パフォーマンスは I/O を行う複数のディスクアームによって向上します。 I/O 要求がインタレースサイズよりも大きいとパフォーマンスが向上します。ただし、使用中のハードウェアと内部ソフトウェアの両方について具体的にわかっている場合以外は、使用するシステムで実証試験を行うか、デフォルトのインタレース値である 16K バイトを使用してください。
RAID 0 ボリュームの選択
RAID 0 連結ストライプとは複数のストライプが連結された大容量の論理ボリュームで、並行アクセスができ、純粋なストライプよりもサイズが大きいストライプです。 なお、既存のストライプ化ボリュームはこの方法でしか拡張できません。
複数スライスの RAID 0 ボリュームを作成すると、スライスがシリンダー 0 から始まる場合、最初のスライスを除くスライスは最初のディスクシリンダーをスキップします。 これは、最初のスライスを除くすべてのスライスで最初のディスクセクタにディスクラベルを保存するためです。メタディスクドライバは、マッピングがストライプ境界を越えてアクセスする場合は少なくともディスクの最初のセクターをスキップする必要があります。最初のセクターだけをスキップすると不規則なディスクジオメトリが作成されるので、ディスクの最初のシリンダはすべてスキップされます。これにより、高レベルのファイルシステムソフトウェア (UFS) でブロック割り当てを適切に最適化できます。 このように、拡張ストレージはディスクラベルが上書きされないようにし、最初のシリンダを意図的にスキップします。
RAID 0 連結やストライプの全スライスでは最初のシリンダをスキップしない理由は UFS に関係しています。既存のファイルシステムから連結ボリュームを作成してさらに容量を追加する場合は、データが開始する位置が最初のシリンダなのでデータが失われます。