ディスクが大きくなり、ディスクアレイがより大きな論理デバイスを Solaris システムに提供するようになった場合、ディスクを 8 つより多くのセクションに再分割できるようにする必要があります。これは、一般的にはファイルシステムやパーティションのサイズを管理可能にするためです。
注:
拡張ストレージは最大 8192 の論理ボリュームをサポートできますが、デフォルトでは 128 (d0 - d127) に構成されています。 論理ボリュームの数を増やす場合は、『Solaris Volume Manager Administration Guide』の「Changing SVM Defaults」を参照してください。 使用可能な論理ボリュームの数を、実際に使用するよりはるかに大きな数に設定しないでください。拡張ストレージは最大値に基づいて、許可されたすべてのメタデバイスについて、デバイスノード (/dev/dsk/md/*) と関連付けられたデータ構造を作成してしまうからです。 小規模の 拡張ストレージ構成では、これらのボリュームが追加されるとパフォーマンスにかなりの影響が出る可能性があります。
ソフトパーティションによって、ディスクスライスを複数の区画に必要なだけ分割します。 各区画またはソフトパーティションには、ストライプやミラーなどその他の記憶装置ボリュームと同様、命名する必要があります。 命名されたソフトパーティションは、別のボリュームに含まれない限り、ファイルシステムなどのアプリケーションから直接アクセスできます。 ボリュームに含まれたソフトパーティションには、直接アクセスしないでください。
ソフトパーティションはディスクスライスの直上、またはミラー、ストライプ、RAID 5 ボリュームの上に配置できます。 ボリューム間でソフトパーティションを入れ子にすることはできません。 たとえば、ソフトパーティションに構築されたミラーと、ストライプに構築されたソフトパーティションの組み合わせはできません。
ソフトパーティションはファイルシステムやその他のアプリケーションに現れますが、単一の連続的な論理ボリュームにする場合は、背後にあるメディアの任意の位置に配置される一連の拡張で構成されます。 ソフトパーティション以外にも、ディスクのウォーターマーク (システム回復データ領域とも言う) がソフトパーティションの情報を記録し、取り返しのつかないシステム障害が発生した際に回復を手助けします。
ソフトパーティションは 1 テラバイトより大きいデバイスの細分化に使用できますが、1 テラバイトより大きいボリュームの作成はできません。
ソフトパーティションに使用するスライスをほかの用途に使用すると、データが失われます。
拡張したソフトパーティションをディスク上の任意の位置に手動で配置することは技術的には可能ですが、システムに自動的に配置させてください。
ディスクを分割してできたスライスにファイルシステムを構築したあとでスライスを拡張すると、ディスクの形式が変更または削除されます。 ソフトパーティションを行うと、ほかのソフトパーティションのデータが移動または削除されないまま、スライスを背後のデバイスの容量まで拡張できます。
ソフトパーティションはどのスライスにも構築できますが、ディスクレベルでは、ディスク全体を占める単一のスライスを作成した後でそのスライスにソフトパーティションを作成する方法が一番効率的です。
ストライプをディスクスライスの上に構築してからストライプにソフトパーティションを構築することで、記憶領域の拡張と管理がよりよく行えます。 これにより、後でストライプに新しいスライスを追加して、ソフトパーティションを拡張することが可能です。
最大限の柔軟性と高可用性を実現するには、RAID 1 (ミラー) または RAID 5 ボリュームをディスクスライスに構築してから、ソフトパーティションをミラーまたは RAID 5 ボリュームに構築します。