RAID 1 (ミラー) ボリュームの作成によって読み取りパフォーマンスが向上することがありますが、書き込みパフォーマンスは常に低下します。
I/O の状態がスレッド化されるか I/O が非同期の場合にだけ、RAID 1 (ミラー) ボリュームの作成で読み取りパフォーマンスが向上します。 メタデバイスから読み取るスレッドが 1 つだけの場合、パフォーマンスは向上しません。
RAID 1 (ミラー) ボリュームの作成により書き込みパフォーマンスはおよそ 15 パーセントから 50 パーセント低下します。 1 回の論理書き込みを行うのに、データのコピーを 2 回ディスクに書き込む必要があるからです。 アプリケーションが書き込み集約型の場合、RAID 1 ボリュームによって全体のパフォーマンスが低下します。 ただし、RAID 1 ボリュームによる書き込み低下は実質的に通常の RAID 5 書き込みペナルティ (70 パーセント程度) よりも少なくなります。
UNIX オペレーティングシステムはファイルシステムキャッシュを実装している点に注意してください。このキャッシュで読み取り要求を満たすことができることも多いので、ファイルシステムを経由する物理 I/O の読み取り/書き込み比率が書き込み側へ極端に偏ることがあります。
たとえば、アプリケーション I/O が読み取り 80 パーセント、書き込み 20 パーセントで構成されているとします。 しかし読み取り要求の多くがファイルシステムキャッシュによって満たされるとすれば、物理 I/O 構成はまったく異なり、読み取りが 60 パーセント、書き込みが 40 パーセント程度となる可能性があります。実際、バッファキャッシュに大容量のメモリが使用されていれば、物理 I/O の構成はまったく逆になることもあります。読み取り 80 パーセント、書き込み 20 パーセントが、読み取り 40 パーセント、書き込み 60 パーセントになることもあります。