ログデバイスのトレードオフ

通常、ログ (ログデバイス) は頻繁にアクセスされます。最高のパフォーマンスを実現するには、使用頻度の高いディスクにログデバイスを置かないようにします。またディスクの中央に置くと、ログアクセスの平均シークタイムが最小になります。

ログデバイスと同じトランスボリュームのマスターデバイスは別々のドライブに配置し、できれば別々のコントローラに設定して、I/O の読み込みが均等になるようにします。

ログの共有化: トランザクションボリュームはログデバイスを共有できます。ただし、ファイルシステムが頻繁に使用される場合は、ログを別にした方がよいでしょう。ログデバイスを共有した場合、特定のエラーではログデバイスを共有する全ファイルシステムを fsck(1M) コマンドでチェックする必要があり、この点では不便です。

ログサイズが大きいほどパフォーマンスは向上します。ログサイズが大きいと同時性が増します。 つまり、1 秒あたりのファイルシステムの同時操作が多くなります。

ログデバイスの絶対最小サイズは 1M バイトです。平均的なパフォーマンスを得るためのログ領域は、ファイルシステム領域 100M バイトあたり 1M バイトです。推奨最低値はファイルシステム領域 1G バイトあたりログ領域 1M バイトです。

4G バイトのファイルシステムがあるとします。ログサイズの推奨値はいくつになるでしょうか。

良好なパフォーマンスを得るには、40M バイト (100M バイトファイルシステムあたり 1M バイトのログ) を推奨します。

推奨最低値は 4M バイト (1M バイトログ/1G バイトファイルシステム) です。

絶対最小値は 1M バイトです。

すべてのログのミラーを作成することを強く推奨します。デバイスエラーによってログのデータを失う危険性があるからです。ログのデータが失われるとファイルシステムが矛盾した状態になり、fsck による手動の修復が必要となります。