Application Server のアーキテクチャ
ここでは、図 1-1 に示す Application Server のハイレベルアーキテクチャについて説明します。
- コンテナ - コンテナは、J2EE コンポーネントのセキュリティやトランザクション管理などのサービスを提供する実行時環境です。図 1-1 は、2 つのタイプの J2EE コンテナ、Web および EJB を示しています。JSP ページやサーブレットなどの Web コンポーネントは、Web コンテナ内で実行されます。EJB テクノロジのコンポーネントである Enterprise JavaBeans は、EJB コンテナ内で実行されます。
- クライアントアクセス - 実行時に、ブラウザクライアントはインターネット上で使われているプロトコルである HTTP で Web サーバーと通信することにより Web アプリケーションにアクセスします。HTTPS プロトコルは、セキュア通信を必要とするアプリケーションのためにあります。Enterprise Bean クライアントは、IIOP または IIOP/SSL (セキュア) プロトコルを介して ORB (Object Request Broker) と通信します。Application Server には、HTTP、HTTPS、IIOP、および IIOP/SSL プロトコルに個別のリスナーがあります。各リスナーは、固有のポート番号を排他的に使用しています。
- Web サービス - J2EE プラットフォームでは、Java API for XML-Based RPC (JAX-RPC) によって実装された Web サービスを提供する Web アプリケーションを配備できます。J2EE アプリケーションやコンポーネントは、ほかの Web サービスのクライアントにすることもできます。アプリケーションは Java API for XML Registries (JAXR) を介して XML レジストリにアクセスします。
- アプリケーションのサービス - J2EE プラットフォームは、コンテナがアプリケーションのサービスを提供するように設計されています。図 1-1 に、次のサービスを示します。
- ネーミング - ネーミング・ディレクトリサービスは、オブジェクトに名前をバインドします。J2EE アプリケーションは、JNDI 名を探してオブジェクトを検出します。JNDI は Java Naming and Directory Interface API の略です。
- セキュリティ - Java Authorization Contract for Containers (JACC) は、J2EE コンテナ用に定義された一連のセキュリティ規約です。クライアントの ID に基づいて、コンテナはコンテナのリソースおよびサービスに対するアクセスを制限します。
- トランザクション管理 - トランザクションは作業の分割不能な単位です。たとえば、銀行口座間での資金の振り替えがトランザクションにあたります。トランザクション管理サービスは、トランザクションが完全に終了するか、またはロールバックされるようにします。
外部システムへのアクセス
J2EE プラットフォームでは、アプリケーションがアプリケーションサーバーの外部にあるシステムにアクセスできます。アプリケーションは、リソースと呼ばれるオブジェクトを介してこれらのシステムにアクセスします。管理者はリソース設定を行う必要があります。J2EE プラットフォームでは、次の API およびコンポーネントを介して外部システムにアクセスできます。
- JDBC - データベース管理システム (DBMS) は、データの格納、編成、および検索機能を提供します。大部分のビジネスアプリケーションは、アプリケーションが JDBC API 経由でアクセスするリレーショナルデータベースにデータを格納します。データベース内の情報は、多くの場合、持続性があるとされています。これは、ディスク上に保存され、アプリケーションを終了した後も存在するためです。Application Server には PointBase DBMS がバンドルされています。
- メッセージング - メッセージングは、ソフトウェアコンポーネント間またはアプリケーション間の通信メソッドです。メッセージングクライアントは、ほかのどのクライアントともメッセージの送受信を行います。アプリケーションは Java Messaging Service (JMS) API を介してメッセージングプロバイダにアクセスします。Application Server には JMS プロバイダが組み込まれています。
- コネクタ - J2EE Connector アーキテクチャでは、J2EE アプリケーションと既存の EIS (Enterprise Information System) との統合が可能です。アプリケーションは、コネクタまたはリソースアダプタと呼ばれる移行可能な J2EE コンポーネントを介して EIS にアクセスします。
- JavaMail - JavaMail API を介して、アプリケーションは電子メールを送受信するために SMTP サーバーに接続します。
- サーバー管理 - 管理者は、アプリケーションを配備 (インストール) し、サーバーのパフォーマンスを監視します。これらのタスクは Application Server が提供する管理ツールを使用して実行します。
関連項目
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