NICサブシステム

Compaq NICマネジメント エージェントは、参照するシステムに装備されているコンパック製のすべての論理ネットワーク インタフェース コントローラ(NIC)を表示します。以下の項目がNICナビゲーション フレームに表示されます。

仮想NIC

Single NIC

NICのチーム


仮想 NIC

仮想 NICは、Microsoft Windows NTシステムで使用できます。仮想 NICは、TCP/IPループバック インタフェースです。仮想 NICは、Windows NTで提供される機能で、コンピュータが自分自身にパケットを送信できます。 パケットとは、ネットワーク上のデータ転送の基本単位のことです。

詳しいインタフェース情報を参照するには、仮想 NICを選択してください。

Single NIC

single NICは、1枚のNICで構成されています。一覧からsingle NICを選択すると、 そのNICについてさらに詳しい情報を参照できます。NICの種類に応じて、以下の情報のいずれかを参照できます。

 

: :表示される情報は、NICの種類によって異なります。例えば、 Ethernet統計情報は、 Ethernet NICで表示されます。

NICコントローラ情報

NICインタフェース情報

Ethernet統計情報

Token Ring統計情報

 

NICのチーム

 

NICのチームは、ネットワーク上で1つの論理インタフェースとして現れる2枚以上のNICで構成されます。 ナビゲーション フレーム からNICのチームを選択すると、そのチームの詳しい情報を参照できます。 デフォルトでは論理アダプタ情報が表示されます。チーム内の1枚のNICを選択して、そのNICに関する追加の情報を表示することもできます。

NICのチームには、以下の4種類があります。

 

選択したチームで以下の情報を参照できます。

 

: この情報は、チームの種類によって異なります。

論理アダプタ情報

NICコントローラ情報

NICインタフェース情報

Ethernet統計情報

Token Ring統計情報

 

論理アダプタ情報

 

以下の論理アダプタ情報はすべてのNICチームで利用できます。

 

説明 NICチームの説明を表示します。 (Compaq リダンダント NIC ペア、 Compaq ネットワーク フォールト トレランス チーム、 Compaq アダプティブ負荷バランス チーム、およびCompaq Fast EtherChannel チーム.

ステータス NICチームの全体的なステータスを表示します。

 

 

グループの種類 NICチームのグループの種類を表示します (リダンダント NIC ペア、 ネットワーク フォールト トレランス、アダプティブ負荷バランス、およびFast EtherChanne)

切り替えモード トラフィックをいつ1枚のNICから他のNICに切り替えるかを判別する方法を示します。3種類の切り替えモードがあります。

 

NIC コントローラ情報

 

NICコントローラに関する以下の情報を表示します。

 

モデル Compaq NetFlex-3 コントローラなどのようなNICコントローラのモデル名を表示します。この情報は識別の目的で使われます。

 

ステータス

NICのステータスには、以下の3種類があります。

    ・OK: コントローラは正常に動作しています。

    ・障害: コントローラが故障して、動作していません。

    ・ 不明: ドライバ ソフトウェアとサーバ エージェントをアップグレードする必要があるかもしれません。サーバ エージェントは、コントローラのステータスを確認できません。

スロット NICの物理的な位置を示します。たとえば、この値が 3 の場合、NICはご使用のコンピュータのスロット 3にインストールされています。この情報は識別のために使用します。

NICインタフェース スロットは、NICがシステム ボードに組み込まれている場合は内蔵されています。スロットが不明の場合、およびNICISAカードの場合はNICインタフェース スロットは使用できません。

ポート 選択されたNICがデュアル ヘッドのペアの片方であるかどうかを示します。

デュプレックス フル デュプレックス Ethernet サポートの現在のステータスを示します。コンパック製のNICは、フル デュプレックスのEthernetハブをサポートします。この機能は、Compaqシステム コンフィギュレーション ユーティリティで有効/無効にできます。

表示される値は以下のとおりです。

NA:サーバ エージェントは、フル デュプレックスEthernet サポートの現在のステータスを判別できません。ご使用のソフトウェアをアップグレードする必要があるかもしれません。

・サポートされていない: ハードウェアでデュプレックス モードがサポートされていないか、またはサーバ エージェントがこのNICのフル デュプレックス イーサネット サポートを判別できません。

・ハーフ: NICは、現在ハーフ デュプレックス モードで動作しています。

・フル: NICは、現在フル デュプレックス モードで動作しています。

ベース I/O アドレス ベースI/Oアドレスは、このデバイスが通信に使用するI/Oポートの開始アドレスを指定します。この情報は確認のために使用します。このI/Oポート アドレスを他のデバイスで使用することはできません。

IRQ この項目は、このNICがデバイス ドライバとの通信に使用するハードウェア割り込みを示します。この情報は確認のために使用します。

ベース メモリ アドレス この項目は、このNICが使用するベース メモリ アドレスを示します。このデバイスがシステム メモリを使用しない場合や、この情報が使用不能な場合は、N/Aが表示されます。この情報は確認のために使用します。

DMAチャネル この項目は、このNICのために使用されるDMAチャネル数を示します。このデバイスがDMAチャネルを使用しない場合や、この情報が使用不能な場合には、N/Aが表示されます。この情報は確認のために使用してください。

物理(MAC)アドレス この項目は、物理アダプタによってネットワーク上に表示される物理アドレスを表示します。

 

NICインタフェース情報

 

この項では、以下の情報を表示します。

 

IP アドレス 論理インタフェースのIPアドレスを表示します。

インタフェースの種類 インタフェースの種類(たとえば、EthernetToken Ringがあります)は、プロトコル スタックのネットワーク層のすぐ下にある物理リンク プロトコルに従って区別されます。

NetWare
NetWareシステムでは、フレーム タイプがこの項目に該当します。フレーム タイプによっては、一部のプロトコルを使用できない場合があります。さらに、デバイスとワークステーションは、通信に同じフレーム タイプを使用しなければなりません。「ファイルデバイスが見つかりません」というメッセージが表示された場合は、デバイスとクライアントのフレーム タイプが同じかどうかを確認してください。

Windows NT
Windows NT
システムでは、メディア タイプがこの項目に該当します。ネットワーク上の他のステーションまたはデバイスとの交信がうまくいかないときには、使用しているメディア タイプがネットワーク上の他のステーションのものと同じかどうかを確認してください。

ステータス には、以下のステータスが表示されます。

Up: インタフェースがパケットを送信する用意ができていることを示します。

Down:インタフェースがパケットを送信する用意ができていないことを示します。その他のエラー カウントを見れば、問題が起きたかどうかを調べるのに役立ちます(特にToken Ringステータス ウィンドウにあるリング オープン ステータス) 。ソフトウェアが正しく設定されていない可能性があります。

Testing: インタフェースがテスト モードであることを示します。このモードでは、操作パケットは渡されません。

最大パケット サイズ

この項目は、使用可能な最大パケット サイズをバイト数で表示します。この情報を使用して、他のステーションと比較することができます。一般に、データ転送量が大きなアプリケーションを使用している場合、最大パケット サイズが大きいほど性能はよくなります。

この項目が
0になっている場合は、ハードウェアまたはサポートするソフトウェアから情報を取得できないことを示しています。

最新のステータス変更 インタフェースが現在の動作ステータスになった時刻を示します。この項目によって、インタフェースが現在のステータスにある時間を判定できます。インタフェースが現在のステータスに入った時刻が不明な場合は、N/Aと表示されます。

物理アドレス 物理アダプタによってネットワーク上に表示される物理アドレスを表示します。この物理アドレス リソースは、他のデバイスでは使用できません。アドレスは通常、ボードに組み込まれていて、ネットワーク分析ツールのマッピングに使用できます。

速度 この項目は、NICの公称速度を毎秒のビット数で表示します。たとえば、トークン リングの標準速度は4または16Mbit/秒、イーサネットの標準速度は10Mbit/秒または100Mbit/秒です。

この項目が
0になっている場合は、速度が0であるか、ハードウェアまたはサポートするソフトウェアから情報を取得できないことを示しています。
この情報は、
NICの設定を行うための判断材料として使用することができます。リング オープン ステータス、トークン リング ステータス ウィンドウに表示される)にエラーを見つけたら、設定速度を確認してください。リング オープン ステータスにビーコニングまたはリング障害が表示された場合には、NICの設定速度が誤っている可能性があります。たとえば、トークン リングが毎秒16メガビットに設定されているのに、NICの設定速度が毎秒4メガビットだと矛盾が起こります。

受信統計情報

 

送信統計情報

 

Ethernet統計情報

 

このウィンドウには受信エラーと送信エラーの情報が表示されます。ハードウェアおよびサポート ソフトウェアから取得できない情報は、 N/Aと表示されます。

 

受信エラー

エラー総数 この項目は、このインタフェースに受信したユニキャスト パケット、非ユニキャスト パケット、廃棄パケット、エラー パケット、およびプロトコルが不明のパケットの数を表示します。この値はインタフェースに受信したパケットの総数です。1つのNICは複数のインタフェースを収容できるため、この値は、必ずしもNICが受信したパケット総数を表しません。

この項目が0になっている場合は、総受信パケット数が0であるか、ハードウェアまたはサポートするソフトウェアから情報を取得できないことを示しています。.

アラインメント エラー数 この項目は、ネットワーク インタフェースをサポートするソフトウェアがロードされた後に、このインタフェースで発生したアラインメント エラー数を表示します。フレームのアラインメントは、パケットが巡回冗長検査(CRC)に失敗したときに受信側によってチェックされます。アラインメントされていないパケットは8ビット境界で終了しません。すべてのパケットは一定数のバイトからなり、定義されたバイト数で終了しなければなりません。バイト境界で終了しないパケットは、アラインメント チェックに失敗します。

FCS エラー数 この項目は、ネットワーク インタフェースをサポートするソフトウェアがロードされた後にこのインタフェースで発生したフレーム チェック シーケンス(FCS)エラー数を表示します。FCSフィールドには、4バイトの巡回冗長検査(CRC)値が入ります。送信側のステーションは、パケットを送信している間CRCを計算します。CRC値はFCSフィールドに入れられます。受信側のステーションは、パケットを受信している間CRC
を計算し、結果の値をFCSフィールドの値と照合します。両方の値が一致しない場合、FCSエラーが発生したことになります。

これらのエラーを切りわけ、解決してください。
FCSエラーを引き起こす2つの主要な原因は、ケーブリングとコンポーネントの問題です。

FCSエラーが起きたら、アラインメント エラーまたは遅延コリジョンエラーが発生していないかを調べてください。CRC/アラインメント エラーの原因としては、電磁妨害による短絡やノイズなどのケーブル上の問題が最初に考えられます。遅延コリジョンは、多くの場合不適切な(ケーブル仕様に準拠していない)ケーブリングに起因しています。ネットワーク上で遅延コリジョンまたはCRC/アラインメント エラーの件数が増加している場合には、以下に示すケーブル上の問題がないかどうかを確認してください。

過大フレーム数 この項目は、ネットワーク インタフェースをサポートするソフトウェアがロードされた後に受信側ステーションが発見したこのインタフェースの過大フレームの件数を表示します。不正パケットが処理されるのを防止するために、受信側ステーションは、パケットのフレーム サイズを含むいくつかの特性を調べます。フレーム サイズが1518
バイト(FCSフィールドを含む)を超えている場合には、過大フレームとなります。ネットワーク上で過大フレームが発生した場合は、次の手順を実行してください。

1.最新版のLANドライバを使用しているかどうかを確認してください。過大フレームは、LANドライバが適切でないために発生することがあります。
2.ルータを調べてください。ルータが2つの異なるタイプのネットワークを接続しており、いずれか一方に適正なフレーム サイズを強制していない場合には、不正な長さのフレームが送られる可能性があります。ルータの製造元に問い合わせてください。
3.ネットワーク アナライザを使用して、不正フレームの送信に関係しているNICを見つけてください。フレーム ヘッダ内の48ビット ソースアドレスを調べると、問題のNICをつきとめることができます。

MAC 受信エラー数 この項目は、画面に表示されるどの分類にも該当しないエラーがこのインタフェースで起きた場合にそのつど増分されます。この項目は、たとえば、短すぎるフレームが検出されたときに増分されます。このタイプのエラー件数が多すぎる場合には、ネットワーク アナライザを使用して、短フレーム エラーがないかを確認してください。NICを交換する必要があるかもしれません。
.

送信エラー数

エラー総数 この項目は、このインタフェースから送信したユニキャスト パケット、非ユニキャスト パケット、廃棄パケット、およびエラー パケットの数を表示します。この値はインタフェースから送信したパケットの総数です。1
つのNICは複数のインタフェースを収容できるため、この値は、必ずしもNICが送信したパケット総数を表しません。
この項目が
0になっている場合は、送信パケット総数が0でなければ、ハードウェアまたはサポートするソフトウェアから情報を取得できないことを示しています。

キャリア検出エラー この項目は、ネットワーク インタフェースをサポートするソフトウェアがロードされた後にこのインタフェースから送信されたフレームのうちキャリア検出エラーが発生したフレーム数を表示します。キャリア検出信号は、データ ステーションが、他のステーションが送信中であるかどうかを検出するために継続して行う活動です。キャリア検出エラーは、ステーションがフレームを送信したのに、そのステーション自身の信号をワイヤ上で検出しない場合に検出されます。

遅延コリジョン数 この項目は、ネットワーク インタフェースをサポートするソフトウェアがロードされた後にこのインタフェースで発生した遅延コリジョンの件数を表示します。遅延コリジョンはケーブリングに問題があることを示す兆候です。遅延コリジョンは、パケットに64バイトまたはそれ以上のバイトが送られたために発生したコリジョンです。
遅延コリジョンは、セグメントの長さがワイヤリング仕様の許容限度を超えているために発生することがあります。たとえば、
10Base-2ワイヤリング(Thinnetとしても知られています)を使用している場合、セグメントの最大長は185メートルです。

ステーションは、
64バイトを送信し終えた時点で、自分がケーブル セグメントの制御権を持っているものと信じます。もし、セグメントの末端にある別のノードがこのパケットの存在を知らずに送信すると、このパケットは、最初の64バイトの送信後に行われる最初の転送とコリジョンしてしまいます。
セグメントの長さが許容される最大長を超えていないかを確認してください。

過剰コリジョン数 この項目は、ネットワーク インタフェースをサポートするソフトウェアがロードされた後にこのインタフェースで発生した過剰コリジョンの件数を表示します。ステーションは送信を最大16回まで試みてだめな場合は、送信の試みを中止しなければなりません。中止が起きると、このカウンタが増分されます。
過剰コリジョンおよび送信遅延の件数が増加した場合は、ネットワークが絶え間なく使用されており、
LANのこのセグメントが過度に混雑していることを示しています。LANを再構成するか、またはデバイスにNICを追加して、トラフィックを緩和する必要があります。たとえば、1本のイーサネット バス上に100台のステーションが接続されているような場合は、デバイスにNIC1つ追加することによって、イーサネット バスを2つに分ける方法が考えられます。このようにして、ステーションを50台ずつ2本のバスに分けることにより、負荷のバランスをとることができます。孤立した23台のステーションがトラフィックを形成している場合には、それらのステーションを別のバスに接続する方法もあります。

不良コンポーネントは、過剰コリジョンの原因になることがあります。以下に示すケーブリング上の問題がないかどうかを確認してください。

MAC送信エラー数 この項目は、画面に表示されるどの分類にも該当しないエラーがこのインタフェースで起きた場合にそのつど増分されます。MAC送信エラーの件数が多すぎる場合には、NICの問題が考えられます。ケーブリングを確認してください。NICを交換する必要があるかもしれません。

多重コリジョン フレーム数 この項目は、ネットワーク インタフェースをサポートするソフトウェアがロードされた後にこのインタフェースで発生した多重コリジョンの件数を表示します。多重コリジョン件数とは、送信に成功するまでにコリジョンが複数回起きたフレーム数です。これらのエラーは、ネットワークのトラフィックが中位の状態〜混雑した状態にあることを示しています。多重コリジョンの件数が増えてくると、過剰コリジョンのカウントが上昇します。

単一コリジョン フレーム数 この項目は、ネットワーク インタフェースをサポートするソフトウェアがロードされた後に、このインタフェースで発生した単一コリジョンのフレーム数を表示します。単一コリジョンフレーム数とは、コリジョンが一回起きただけで送信に成功したフレーム数です。これらのエラーは、ネットワークのトラフィックが空き状態から中位の状態にあることを示しています。単一コリジョンの件数が増えてくると、多重コリジョンのカウントが上昇します。


送信遅延フレーム数
この項目は、メディアの混雑が原因で送信前に遅延させられたフレーム数、つまりネットワーク インタフェースをサポートするソフトウェアがロードされた後のこのインタフェースの送信遅延件数を表示します。衝突が起きたフレーム数は含まれません。送信前に待たされたフレーム数が数えられます。送信遅延は、NICが送信を断念するほどネットワークの混雑が激しい場合に発生します。ネットワークがこの状態にあると、多重衝突と過剰衝突の発生件数も非常に多くなります。
送信遅延は、
LANのこのセグメントが過度に混雑していることを示しています。LANを再構成してトラフィックを緩和する必要があります。たとえば、1本のイーサネット バス上に100台のステーションが接続されているような場合は、デバイスにNIC1つ追加することによって、イーサネット バスを2つに分ける方法が考えられます。このようにして、ステーションを50台ずつ2つのバスに分けることにより、負荷のバランスをとることができます。独立した23台のステーションがトラフィックを形成している場合には、それらのステーションを別のバスに接続する方法もあります。

 

Token Ring統計情報

 

このウィンドウには、以下のToken Ring統計情報が表示されます。ハードウェアおよびサポート ソフトウェアから取得できない情報は、 N/Aと表示されます。

 

フレーム消失エラー数このエラーは、送信側のステーションが、送信したフレームが送信元に戻ってこないために送信を終了できなかったことを示しています。通常、ステーションから送信されたフレームは回路を一巡して戻ってきます。フレームが元の状態で戻ってこない場合に、このエラーが増分されます。
このエラーは、別のステーションがリングとの接続を確立または解除しようとして、クロック

サイクルに割り込んだときに発生することがあります。稲妻のような大きなノイズ スパイクもこのエラーを発生させる原因となります。

フレーム消失エラーが多すぎる場合には、マルチアクセス
ユニット(MAU)またはハブに問題があるかもしれません。ネットワーク アナライザを使用して問題領域をつきとめてください。
他のエラーが同時に発生している場合は、これらのエラー情報を利用して問題の出所を捜しあてられることがあります。

 

内部エラー数 これらのエラーは、NICNIC内部に問題を検出したことを示しています。NICに付属している診断プログラムを実行して、問題を確認してください。場合によっては、NICを交換する必要があります。

 

過剰受信エラー数 このカウンタは、ステーションが受信したフレームのデータをなんらかの理由でコピーできない場合に増分されます。ステーションにデータをコピーするだけのバッファ領域がないことが考えられます。
特定のステーションにトラフィックが過度に集中すると、過剰受信エラーが発生することがあります。あるステーションで過剰受信エラーの状態が続いている場合は、ネットワークの設計を見直してください。あるいは、
PC上のソフトウェアが効率的に機能していないために、ネットワークからの割り込みを処理しきれないことも考えられます。

 

Tokenエラー数 Token エラーは、以下に示すいずれかの理由で、アクティブ モニタによって報告されます。

    送信側がフレームをストリップする前にリングとの接続を解除したか、あるいはネットワーク上に2つのアクティブ モニタが存在しているか、いずれかの理由によりリングを1回以上巡回しているフレームがあると、アクティブ モニタによって検出されます。いずれの場合も、アクティブ モニタはネットワークをパージし、状態をクリアにします。
    ステーションが高い優先順位でトークンをリザーブした後、ネットワークとの接続を解除しました。高い優先順位をリクエストしたステーションを捜してリングを1回以上巡回しているトークンがあると、アクティブ モニタによって検出されます。アクティブ モニタはリングをパージします。

・   
10ミリ秒間受信されていないトークンまたはフレームがあると、アクティブ モニタによって検出されます。通常、これは、ステーションがリングとの接続を確立または解除したときに発生します。このカウンタが急速に上昇した場合は、同時に複数のステーションがリングとの接続を確立または解除したためと考えられます。たとえば、電源が一時的に切断され、しばらくして回復したような場合がこれに当てはまります。つまり、同時にいくつかのステーションがリングとの接続を確立しようとして、信号の中断を招きます。しかし、この状態が発生した原因がわからない場合もあります。そのような場合には、マルチアクセス ユニットを調べる必要があるかもしれません。ネットワーク アナライザを使用して、問題領域をつきとめてください。

・   
アクティブ モニタが、トークン違反を伴って戻されたトークンを検出しました。このエラーが発生した場合は、そのリングに関係する回線エラーについても確認する必要があります。アクティブ モニタはリングをパージしますが、同時に次の項目を確認する必要があります。

ケーブル障害: 短絡または損傷しているケーブリングを通過するパケット データは、宛先ステーションに到着する前に変化してしまうことがあります。回線エラーとトークン エラーを発生させる原因になります。
セグメントのグラウンド障害: セグメントのグラウンドが適切でないと、接地誘導ノイズが発生し、データ フローに悪影響を及ぼすことがあります。回線エラーを発生させる原因になります。
ケーブルのノイズ: モータまたは他の機器に起因する妨害やノイズは、信号ひずみを発生させ、CRC
/アラインメント エラーを引き起こすことがあります。これが回線エラー カウントを増分し、トークン エラーを発生させる原因になります。

上記の項目をあたってみても問題の原因がわからない場合は、ネットワーク アナライザを使用して、フレームを変化させているステーションを捜してください。アナライザは、問題を起こしているステーションをつきとめ、NICを交換する必要があるかどうかを教えてくれます。

フレーム コピー エラー数 このエラーは、NICが自分だけを宛先とするフレームを受信したところ、上流のステーションがアドレス認識ビットをセットし、そのフレームをコピーしたことをそのNICが検出した場合に発生します。これは、同じネットワーク物理アドレスを持つNIC2つ存在し、どちらかのアドレスを変更しなければならないことを意味します。各NICには一意のネットワーク物理アドレスを割り当てなければなりません。

送信ビーコン数 この項目は、トークン リングの切断やリング上のNICに欠陥があったときに増分されます。送信ビーコンが1つだけ見つかったのなら、即座に問題を調査してください。
切断は切断地点のすぐ下流のステーションによって、そのステーションがトークンまたはフレームの受信を停止した時点で検出されます。このステーションは、その後一連のビーコン
フレームをリング全体に送信し、すぐ上流で切断が起きたことをリングに知らせます。
ネットワーク
アナライザが使用できれば、ビーコン フレームを送信しているステーションを突き止めることができます。同様に、ビーコンを送信しているステーションのすぐ上流のステーションがどれであるか知らせてくれます。

送信中断エラー数 この項目は、ステーションが、送信を行っている途中で中止デリミタを送ったときに増分されます。
送信中断は、
NICが、ネットワークに向けてすでに発信されているフレームの送信を正常終了できないときに発生します。たとえば、NICは、データ ストリームをワイヤに送る速度と同調してパケット用のバッファ メモリにアクセスすることができない場合に送信を中止します。NICは、送信を中止するときに、トークン リングの他のステーションにパケットの無効を知らせる中止デリミタと呼ばれる特殊なビット文字列をワイヤに送ります。

NICの多くはこの送信中断機能をサポートしていません。その代わりに、致命的エラーを発してシャットダウンし、NIC
をリングから削除する方法があります。このエラーを報告するのは、送信中断をサポートしているNICです。
このエラーが報告された場合は、
NICに付属している診断プログラムを実行して、問題があるかどうかを確認してください。

ステーション削除回数 この項目は、管理者のステーションが「ステーションをリングから削除する」コマンドを発行したときに増分されます。ステーションがリングから削除された理由をネットワーク管理者に確認してください。

ソフト エラー数 この項目は、NICが復旧可能なエラーを検出したときに増分されます。これらのエラーは、一般にノードをトークン リングが出入りしたときに報告されます。これらのエラーは致命的なエラーではなく、発生してもとくに問題はありません。NICはエラーを訂正しようとしますが、エラーはLAN管理ステーションに報告され、カウントされます。他のエラー カウントを調べて、重大なエラーかどうかを確認してください。

ステーション復旧回数 この項目は、アクティブ モニタのステーションが変更されるたびに増分されます。現在のアクティブ モニタがネットワークとの接続を解除したか、あるいはモニタ内部に問題を検出した時点で、別のステーションにアクティブモニタが移ります。この項目の発生頻度が急速に上昇した場合は、他のエラー カウントを調べて、問題がないかどうかを確認してください。

ハード エラー数 このエラーは、通常、送信ビーコンと関連して発生します。項目の値は、ステーションがビーコンを受信または送信するたびに増分されます。したがってビーコンが送信されているときには、エラー件数はおびただしい数になります。
送信ビーコンのカウントも同様に増分される場合は、このインタフェースはネットワークにビーコンを送信していることになります。送信ビーコンが増分されない場合は、このインタフェースはビーコンを送信しているのではなく、他から送られたビーコンを検出しています。
ネットワーク
アナライザが使用できれば、ビーコン フレームを送信しているステーションを突き止めることができます。同様に、ビーコンを送信しているステーションのすぐ上流のステーションがどれであるか知らせてくれます。

次の手順を実行してください。

1.ビーコンを送信しているステーションのすぐ上流のステーションを調べます。トランシーバ、トランシーバ ケーブル、トランシーバの付属部品をひとつずつ取り外します。不良コンポーネントが見つかったら交換します。
2.ビーコン フレームを送出したステーションのレシーバを調べて、そのレシーバがフレームを受信できるかどうかを確認します。レシーバが正常に動作していない場合は、NICがフレームまたはトークンがないものと誤って認識した可能性があります。NICに付属している診断プログラムを実行して、問題の原因をつきとめてください。

3.ケーブリングを調べて、切断または損傷がないかを確認してください。
4.マルチアクセス ユニット(MAU)またはハブを調べて、これが原因になっていないかを確認してください。問題があるかどうかを判定するには、MAUに付属している診断プログラムを使用します。

ローブ障害数 このエラーは、ネットワークがテスト モードに入っており、マルチアクセス ユニット(MAU)と各ステーションを接続しているローブ ワイヤのいずれかに問題が見つかったときに発生します。ネットワークは、次の2つの条件下でテスト モードになります。

    ステーションの電源を入れ、ネットワークとの接続を確立しようとすると、ローブ ワイヤに対するテストが開始されます。テストに失敗すると、ローブ ワイヤ障害が発生します。
・   
ハード エラーが発生すると、NICはテスト モードに入ります。セルフテストに失敗すると、ローブ ワイヤ障害が発生します。

ローブ
ワイヤ障害が発生した場合は、次の項目を確認してください。

・   
ケーブル障害: 該当するローブ ワイヤが正常に動作しているかを確認してください。
・   
リピータ、トランシーバ、またはコントローラ カードの障害: リピータ、トランシーバ、およびコントローラ カードの不良は、ネットワーク信号の混乱、ワイヤへの不正信号の送信、あるいは入力パケットの無視などの原因となります。そのような場合には、次の手順を実行してください。

1. Nが絶え間なく送信を行っている場合には、NICが不正信号または「ジャバ(訳のわからないおしゃべり)」の原因です。ネットワークを正常に機能させるために、ジャバを起こしているトランスミッタを交換します。
2.トランシーバ、トランシーバ ケーブル、トランシーバの付属部品をひとつずつ取り外します。不良コンポーネントが見つかったら交換します。
3.マルチアクセス ユニット(MAU)またはハブを調べて、これが原因になっていないかを確認してください。問題があるかどうかを判定するには、MAUに付属している診断プログラムを使用します。

回線エラー この項目は、ステーションが回線エラーを検出するたびに増分されます。各ステーションはフレームを繰り返すかコピーし、そのフレームの妥当性を検査します。フレーム中のデータが変化していると、変化したフレームを検出した各ステーションはそれぞれの回線エラー カウントを増分します。

信号消失エラー数 このエラーは、通常、バースト エラー、トークン エラー、回線エラー、送信ビーコンなどの他のエラーと関連して起こります。このエラーは、ステーションが一時的にまたは永久にトークン リング上のクロック信号を消失したことを示しています。他のエラー条件を調べて、重大なエラーが発生していないかどうかを確認してください。

バースト エラー数 この項目は、アダプタがクロック遷移の不在を検出するたびに増分されます。トークン リング
ネットワークでは、バースト エラーは、信号が瞬間的に中断したときに発生します。ステーションがリングとの接続を確立または解除すると、そのつどバースト エラーが発生する可能性があります。
あるステーションのバースト
エラー カウントが他のステーションに比べて異常に高い数値を示している場合は、NIC
を交換する必要があるかもしれません。たとえば、1日の平均バースト エラー件数がほとんどのステーションで2なのに、あるステーションで27になっている場合には、そのステーションのNICが故障している可能性があります。バースト エラーは、一般に問題の原因となっているステーションのすぐ下流のステーションで検出されます。バースト
エラーを検出しているステーションのすぐ上流のアドレスを当たることによって、問題のNICを捜しあてることができます。

リング上で過度のバースト
エラーが継続して発生する場合は、マルチアクセス ユニット(MAU)またはハブを交換する必要があるかもしれません。ネットワーク アナライザを使用して問題領域をつきとめてください。

周波数エラー数 これらのエラーは、アクティブ モニタが正しい周波数で動作していないということをステーションが検出したときに発生します。ステーション復旧が実行され、別のモニタがアクティブ モニタとして選択されます。
アクティブ
モニタはクロック信号を生成し、各待機モニタに渡します。待機モニタはこの信号を自分の参照信号と比較します。この信号が適正な周波数境界に収まっていないと、周波数エラーが発生します。
注意
NICの一部のメーカはこの機能をサポートしていないため、ステーションによってはこのエラーを報告しない場合があります。このエラーは普段起こるエラーではありません。また、アクティブ モニタに問題が起きた場合には、通常他のエラーが発生しますので、障害を起こしているステーションを捜し当てるのにこれを利用することができます。

周波数エラーが起きた場合は、ネットワーク
アナライザを使用して、どのステーションが問題を起こしたアクティブ
モニタであるかを確認します。アナライザを使用する場合は、問題となっているステーションは現在のアクティブ モニタでないことに注意してください。問題を起こしたアクティブ モニタは、問題が検出された時点でアクティブ モニタではなくなっています。

ACエラー数 ACエラーは、認識アドレス表示/コピー フレーム インジケータ(ARI/FCI)エラーともいいます。このエラーは、上流ステーションがフレームのビットを正しくセットしなかったことをステーションが検出したときに発生します。
ACエラーが発生した場合は、次回の定期メンテナンスで次の手順を実行してください。

1. NICが使用しているプロトコルと適合しているかどうかを確認します。ビットをセットしなかった
NIC(問題を報告したステーションのすぐ上流のステーション)は、低水準プロトコルに参加しておらず、802.5プロトコルに一部適合していない可能性があります。
2. NICを交換し、それでも問題が発生するかを確認してください。

単一ステーション構築数 この項目は、インタフェースがリング上の唯一のステーションであることを検出したときに増分されます。これは、このインタフェースがリングに用意された最初のインタフェースであるか、あるいはハードウェア上の問題が存在している場合に発生します。次の項目を確認してください。

・   
マルチアクセス ユニット(MAU)またはハブを調べて、これが原因になっていないかを確認してください。問題があるかどうかを判定するには、MAUに付属している診断プログラムを使用します。
・   
NICMAUを接続しているケーブルを調べて、必要があれば交換してください。
・   
NIC内部の問題も考えられます。NICに付属している診断プログラムを実行し、必要があればNICを交換してください。